スーツ姿のサラリーマンや若い大学生がところ狭しと座っている。
場所は名古屋市の丸の内駅を降りて徒歩3分の本丸ホール。
2019年5月25日、リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんが執筆された書籍の講演会が開催された。
タイトルは「THE TEAM 5つの法則 麻野講演会in名古屋」。
三重県を中心とした地域の魅力を発信をする私がどうして名古屋で麻野さんの講演会に参加しているのか?
もちろん、講演会の内容に興味関心があり麻野さんにお会いできるのも理由の一つだ。
しかし、それ以上に背中を押されたのは・・・
講演の仕掛け人が三重県の若き起業家だったからだ。
本記事では仕掛け人の株式会社Dream3.0 代表 黄山昇さんと「THE TEAM 5つの法則 麻野講演会in名古屋」の聴講レポートを紹介する。
株式会社Dream3.0 代表 黄山昇(おうやまのぼる)とは
黄山さんとの出会いは起業者や起業をこれからする人が登壇し、発表する場だった。
その時の黄山さんの第一印象はゆったりと喋る優しそうな青年。
私よりも若く、既に起業をして活躍する彼の姿に身が引き締まる思いを抱いた。
発表の際のプレゼンは参加者の中でも際立って上手く、論理的でありながら自分の考えや思いを表現していた。

彼のプレゼン力や魅力的な姿がわかる記事がOTONAMIEで掲載されている。
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社会人1年目の挑戦~1人の100歩より、100人の1歩~ - 三重県に暮らす・旅するWEBマガジン-OTONAMIE(オトナミエ)
1.目標を持つことの大切さ こんにちは! こにちゃんです。 伊勢市在住の 黄山昇(おうやまのぼる)さん(20)
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黄山昇さんのプロフィール
2018年に鈴鹿高専卒業後、同年にアップデートを繰り返す次世代コミュニティ形成を目指す「株式会社Dream3.0」を立ち上げる。学生時代にはNPO法人ドットジェイピー三重支部の代表を務めた。
主なイベント開催実績
- 幻冬舎 箕輪厚介講演会in三重 (来場200名)
- OWNDAYS 田中修治講演会in三重 (来場150名)
「地方には、若者にとって、夢やワクワクが少ない。だから若者は、刺激を求めて都会に魅力を感じる。」
「ないものねだり」ばかりでは何も始まらない。だからこそ、地方にいながらも都会に負けないチャンスを掴めるようなイベントを仕掛け続けている。
私は黄山さんとのファーストコンタクトから「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋に参加するにいたるまでの間で、さらに彼を魅力的に感じたのは勤勉で丁寧な仕事ぶりだ。
SNSでの発信、メッセージでのやりとりなどから伝わってきた。
実は黄山さんがイベントを開催するまで、書籍「THE TEAM 5つの法則」を私は知らなかった。
講演を拝聴し、購入した書籍を読了した今だから思うことだが、黄山さんは「THE TEAM 5つの法則」を実践しているのだという答えに行き着いた。
来場者200名のイベントを開催するためには、一人では到底実現できるものではない。
そんなイベントを数多く仕掛けていく黄山さんだからこそ、「THE TEAM 5つの法則」を私たちを含めて多くの人に伝えたかったのではないだろうか。
ここからは、簡単に「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋の内容を紹介していく。
「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋の内容と感想
まずは「THE TEAM 5つの法則」の著者であるリンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんの紹介をしよう。
麻野耕司さんプロフィール
- モチベーションエンジニア
- 株式会社リンクアンドモチベーション取締役
- 株式会社ヴォーカーズ取締役副社長
1979年兵庫県生まれ。
2003年慶應義塾大学法学部卒業。
同年株式会社リンクアンドモチベーション入社。
2010年、中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に当時最年少で着任。
気鋭のコンサルタントとして、名だたる成長企業の組織変革を手掛ける。
2013年、成長ベンチャー企業向け投資事業立ち上げ。
全く新しい投資スタイルで複数の投資先を上場に導く。
2016年国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」立ち上げ。
国内HRTechの牽引役として注目を集める。
2018年同社取締役に着任。
同年株式会社ヴォーカーズ取締役副社長を兼任。
国内最大級の社員クチコミサイト「Vorkers」を展開
最近では、週刊現代の「これからの日本を変える経営者50人」に楽天の三木谷氏、サイバーエージェントの藤田氏、ZOZOの前澤氏らと並んで選出された。
※.内容は「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋の案内文をそのまま参照
講演者の麻野さんは、かっちりしたTHE ビジネスマンではなかった。
「THE TEAM」の黒いTシャツ姿の麻野さんは、ざっくばらんでありながら目には闘志が常に灯っているような、そんな印象を受けた。
「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋の感想および内容一部抜粋
講演では書籍の内容を元にしながら、本人が話すからこその裏話などを交えて、麻野さんの歩んできた人生を語っていただいた。
つまり、「THE TEAM 5つの法則」は麻野さんが社会人となり、現在に至るまでの経験をまとめあげた本だったのだ。
麻野さんは聴衆者に向けて語る口調は、まるで喫茶店のソファーで対面しているようだった。
それだけで自然体で話をされていることがわかった。
書籍「THE TEAM 5つの法則」を出版しようと思ったきっかけ
麻野さんは数々の企業の組織改革や自社の組織変革に携わってきた経験から、
- 働き方改革はとても大事なことだが、組織はそれだけでは変わらない。
- 組織が変わるのはチームであり、チームに関わる一人一人が大事。
- 組織は誰かが作ってくれる、と思っている人が多い。上司が悪い、職場が悪いとそれでは日本の組織は良くなっていかない
と感じていた。
そこで本を書こうと思い立った訳だ。
チームに関する本は世の中に数多くあるが、ほとんどが精神論や経験論に基づくものが多かった。
現代になり、麻野さんたちが築き上げてきた人の内面を見える化する技術によって、科学的にチームを動かせるようになってきている。
麻野さんが取締役を務めるリンクアンドモチベーションのサービス「モチベーションクラウド」がその代表格だ。
「モチベーションクラウド」のサービスをチームで作り上げてきた麻野さんだからこそ、「THE TEAM 5つの法則」を本にまとめられたのだと確信した。
「THE TEAM 5つの法則」をチームに応じて実践される貴重なお話
補足:書籍の構成
全体の構成 5つの法則
- Aim(目標設定)の法則
- Boarding(人員選定)の法則
- Communication(意思疎通)の法則
- Decision(意思決定)の法則
- Engagement(共感創造)の法則
各章の構成
- Method(法則):法則だけ知りたい
- Episode(具体的事例):具体的事例を知りたい
- Action checklist(チェックリスト):自分のチームに当てはめたい
- Theory(学術的背景):学術的背景を知りたい
麻野さんのチームにおける実践として興味深かった部分を一つ紹介すると、上場後の停滞期を脱出したエピソードだ。
書籍の章としては、Aim(目標設定)の法則部分となる。
上場を果たしたリンクアンドモチベーションは、業績が低迷し停滞期に入ってしまう。
組織人事コンサルティングのリーダーとして前線に立った麻野さんだったが、チームの成績は振るわず、退職者も続出したそうだ。
そこでまず麻野さんは「相手の話を聞くこと」からはじめた。
とにかく何かを言い返したくても、聞くことを徹底した。
そうすると部下から
「麻野さんは僕たちの話を聞く気ないですよね。」
「僕たちのこと駒としかみていないでしょう?」
といった本音が出る。
以降も例えばタクシーに乗った際はスマホを眺めず、最近の近況などたわいのない話をするよう心がけたそうだ。
そこからチームの雰囲気が変わっていき、麻野さんの戦略を理解し、実行するようになっていった。
部下からは
「僕たちを理解してくれようとしている、僕たちも理解しようと思った。」
と応えが返ってきた。
そして麻野さんのチームは飛躍を遂げ、そこからリンクアンドモチベーションの業績も回復していった。
- どうせ
- 所詮
- やっぱり
この3つ単語の後に続く言葉は「自分はわかってもらえない」。
自分がわかってもらえている感じてもらえると、チームは変わっていく。
自分自身が会社員時代に経験してきた過去を思い出しながら、心に刻まれたエピソードだった。
あの頃の自分自身が「THE TEAM 5つの法則」に出会い、科学的にチームを見れていたなら。
少し過去を振り返り、考えてしまった。
もう一つ印象的だった話を紹介しよう。
それは意思決定に関する部分だ。
書籍の章としては、Decision(意思決定)の法則の部分となる。
意思決定は以下の3つに分けられる。
- 独裁:一人が意思決定をくだす
- 多数決:賛成者の多い内容で意思決定をくだす
- 合議:話し合いによって意思決定をくだす
チームにも種類があり、その例として
- ゴットファーザー型:メンバー固定的、均質的・確率的
- オーシャンズ11型:流動的、多様性がある、一芸を持っている
の2つで分けた説明はとても分かりやすかった。
ゴットファーザー型としては「コンサルティング事業」があげられ、A成果+B成果+C成果と足し算で成果を生み出す。
環境変化のスピードが早いということもなく、新卒の正社員ばかりで戦っていた。
そのため、意思決定は「独裁」が機能する。
その反面、オーシャンズ11型としては組織改変クラウド「モチベーションクラウド」のアプリ開発事業があげられ、さまざまなスキルを持った混成でチームを形成している。A成果×B成果×C成果と掛け算で成果を生み出す。
つまり、A成果がよくてもB成果が悪ければ合計の成果は出なくなってしまうのだ。
麻野さんがいかに優秀であっても、幅広い知識やスキルが伴うアプリ開発では、「独裁」による成果は望めない。
そして、「独裁」から「合議」で決めるようにしたことで、最適な成果が生まれた。
「モチベーションクラウド」事業では、プロダクトに1個の機能を追加するときも、合議で決めるそうだ。
何でも話し合いで決めればよいものではない。かといって「独裁」で決めればよいということでもない。
自身が所属するチームがどんな状況にあるかで、意思決定の最適な方法は異なるのだ。
「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋を終えて
今回紹介した講演や書籍の内容は本当にほんの一部だ。
それだけ濃い講演を麻野さんにしていただいたのだと改めて思う。
麻野さんはとてもロジカルに物事を考える。
質問に対する回答も縦軸と横軸を用いて、マトリックスの図にして思考を整理してくれる。
地頭の強さもあるが、それだけ繰り返し学び身につけられてきたのだと思う。
私は足元にも及ばないが、少しでも麻野さんのような未来を切り開いていく人間になれるように、地道に学び、実践しなければと決意を新たにした。。
書籍「THE TEAM 5つの法則」は、チームで成果を出していく際のバイブルとして活用していこう。
チームの力が地域を盛り上げる。黄山さんの次の仕掛けに要注目
「THE TEAM 5つの法則」麻野講演会in名古屋を見事に成功させた仕掛け人 黄山さんは、実は次の仕掛けを着々と進めている。
話によると、あの話題の大物経営者を三重県に迎えた講演が実現する予定だ。
情報が公開になったら、当ページでも紹介したい。
私よりもひと回り以上年下の黄山さん。
これからの彼の活躍に注目し、そしてこれからも応援していく。
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世界初「モチベーションエンジニアリング」による企業改革コンサルティング | Link and Motivation Inc. 株式会社リンクアンドモチベーション
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