日本酒バー麻吉 2020年3月31日 閉店のお知らせ
以下、facebookでのご投稿を転載させていただきます。もちろん、麻吉旅館さんは営業していますのでご注意ください。
少し悲しいお知らせですが、日本酒バー麻吉は2020年3月31日を最終営業日とし、閉店する事になりました。
3年と3ヶ月程の営業でしたが、地元の方も旅行の方も何度も来店して頂いたり、snsを通して楽しんで頂いた旨の投稿を見せて頂いたり、店側としても素晴らしい経験をさせて頂きました。
4月以降はバー営業で得たものを旅館に反映させていくつもりです。
前向きな判断でございますので、是非これからの麻吉旅館に御期待下さい。
2019年5月26日 伊勢市高柳商店街がひと、ひと、ひとの熱気で埋め尽くした伊勢志摩SAKEサミット2019。
三重県の地酒が一同に介し、うまい酒の肴とともに参加者は味わい、酔いどれ、笑い合った。
来年の伊勢志摩サミットの開催がとても待ち遠しい。
そんな気持ちをいだいている参加者は多いことだろう。
もちろん、私もその一人だ。
楽しかったなぁとふと、物思いにふけることもしばしば。
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ぼんやりと天井を見つめていると、伊勢志摩SAKEサミット2019で心残りを思い出す。
・・・・「日本酒バー 麻吉」に気の知れた友人と呑みに行きたい。
思い立って友人を誘うと、行こう行こうと嬉しい2つ返事をもらえた。
伊勢でも歴史ある建造物「麻吉旅館」内にある完全予約の特別店「日本酒バー 麻吉」。
友人と合わせた日程で運良く予約が取れた。
予約をした日からは、伊勢志摩SAKEサミットの宴の余韻が残りつつも、「日本酒バー 麻吉」に訪れる楽しみが上書きしてくれた。
日本酒バー 麻吉がある伊勢古市参宮街道
伊勢古市参宮街道は江戸時代まで外宮と内宮をつなぐ唯一の道。
東海道中膝栗毛で主人公の弥次さん、喜多さんが歩いた道として有名だ。
実際に伊勢古市を訪れると、歴史を感じるスポットも多い。
先日イベントでご一緒した大阪の男性は、テレビ番組のブラタモリが好きで、実際に外宮さんから内宮さんまで、伊勢古市参宮街道を歩いたそうだ。
旅人の気持ちになって訪れる「お伊勢さん」は、現代人が思いを巡らせる旅の一つになっている。
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参考 伊勢市立 伊勢古市参宮街道資料館
参宮街道や江戸と上方の役者の登竜門でもあった伊勢歌舞伎。日本の三大妓楼のひとつとして著名であった古市妓楼などの関係資料を展示しています。2階には研修室があり、各種の講座・研修・会議などに広くご利用いた ...
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日本酒バー 麻吉 時間を忘れ友、そして店主と語る
麻吉旅館は伊勢古市で唯一、江戸時代の面影をそのまま残す楼閣だ。
麻吉旅館のもとは、「花月楼 麻吉」という茶屋。伊勢音頭の舞台があり、約三十人の芸姑が客人を迎え入れていたそうだ。
あたりを見渡すと、時代を錯覚するような感覚に襲われる。
日本酒バー 麻吉は伝統ある麻吉旅館の一部屋で営まれているのだ。
階段を下り、暖簾をくぐると店主が温かく迎え入れてくれた。
日本酒バー 麻吉の部屋は元々は、従業員が寝泊まりする場所だったそうだ。
趣きのある内装をよくよく観察すると、ふすまの跡などを見つけることができた。
当時の様子は想像もできないが、ふと時代小説の白黒のワンシーンが頭の中に浮かんでくる。
時刻は21時過ぎ。
さっそく、日本酒とつまみをいただこう。
ポイント
日本酒バー麻吉は完全予約制で営業時間が19時30分〜23時までで、私と友人は夕食を食べてから来店している。
1杯目 元坂酒造(大台町) 酒屋八兵衛 山廃純米酒 酒米:伊勢錦
まず、伊勢志摩SAKEサミット2019の時から気になっていた「あおさのりチーズ」を注文した。
あおさのりチーズに合うお酒と呑み方を店主の上田さんに選んでもらう。
出してもらったのは、元坂酒造さんの「酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦」の燗酒だ。
希少な酒米である「伊勢錦」は、元坂酒造の6代目が復活させた特別な地もの。
甘じょっぱくも濃厚な味わいのあおさのりの佃煮が絡んだチーズ。三噛み程度で、すかさず八兵衛を口に含むと・・・たまらない。
伊勢志摩名物 サメのタレにも良く合う。
肉厚で箸でぐっとつまむとにじみ出る汁が食欲と呑み欲を掻き立ててくる。
2杯目 中井仁平酒造場(伊賀市) 三重錦 四号 うすにごり 純米生 酒米:八反錦
さっぱりとした野菜の浅漬けは、シャキシャキ(モキュモキュの方が正しい擬音かもしれない)と夏らしい。
2杯目にいただいたのは、切れのある「三重錦 四号 うすにごり 純米生」を冷酒でいただく。
仕込み水が硬水でのどごしはキリッとしている。元ボクサーでボクシングジムも営む酒蔵さんの顔が浮かんでくるようだ。
酸味のある味噌がアクセントになった「しめ鯖味噌」にも合う。
3杯目 澤佐酒造(名張市) 参宮旅街道 純米吟醸 アンプレヴュ
酔いも回ってきたところで、白ワインのような酸味が楽しめる「参宮旅街道 純米吟醸 アンプレヴュ」を冷酒でいただいた。
G7伊勢志摩サミットでも提供されたお酒で、アルコール数は11度と低い。
初めて飲む人は、こんな日本酒もあるんだと驚きを受けるだろう。
3.5杯目(友人に一口もらう) 森喜酒造(伊賀市) 貴醸酒 きもと仕込み純米無濾過原酒 るみ子の酒 おめかし
友人が飲んでいた「貴醸酒 きもと仕込み純米無濾過原酒 るみ子の酒 おめかし」は、とても珍しいお酒だ。
貴醸酒(きじょうしゅ)は仕込み水の何割かを日本酒で仕込むというお酒のこと。
酒蔵によって割合は異なりるそうだ。水のみで仕込んだお酒に比べて、甘さが際立つ特徴がある。
口当たりはトロッと柔らかく、はじめて飲む味わいの「るみ子の酒 おめかし」。日本酒は本当にとても奥深いものだ。
酒の肴もどれも美味しい。ついついお酒と合わせて追加注文をしてしまう。
油揚げピザは何枚でも食べてしまいそうだ。
〆でいただいたのが伊勢湾の海を彷彿させる「海藻とちりめんうどん」。
あおさのり、わかめ、ちりめんと彩りも鮮やかだ。うどんの喉越しも良く、日本酒同様に身体の芯に染み渡っていく。
魅力は日本酒バー 麻吉 上田さんの落ち着いた専門トーク
私は三重県の地酒ばかりを飲んでいたが、日本酒バー 麻吉には三重県外の日本酒も楽しめる。
例えば灘の酒で有名な「剣菱酒造の清酒 瑞穂」
日本酒バー 麻吉を訪れて感じた魅力は
- 歴史的建造物内の趣きを楽しめること
- 三重県の地酒やよりすぐりの日本酒、そして酒の肴をいただけること
そして、3.店主の上田さんとの会話だ。
上田さんは軽快なトークを繰り広げるタイプでも、寡黙で話しかけるなよ・・・タイプでもない。
私の印象は「ひと肌燗」のような方だなと勝手に思っている。
どこか温かく、日本酒や酒の肴、伊勢古市の歴史などの引き出しが多く、お話がふくらんでいく。
実際に三重県の酒蔵さんで仕込みの手伝いをして出来上がった日本酒が飲めたり、今年のあおさのりの出来に関して、呑み食べながら話を聞ける。日本酒バー 麻吉 店主の上田さんだからこそ楽しめる会話だろう。
年甲斐もなくシンデレラのような気持ちに
友人と上田さんと気兼ねなく、楽しい時間を過ごしていると、いつの間にか時計は23時を指していた。
本当にあっという間の2時間だったなと、友人と顔を見合わせる。
名残惜しい気持ちをチェイサーで喉の奥に流し込み、ほろ酔いの身体に喝を入れて席を立った。
日本酒バー 麻吉は宿泊者も利用できるそうだ。
そういえば、入店した時にウトウトしていたおじさんが部屋へと帰っていったのを思い出す。
旅先で歴史ある旅館に宿泊しながら、夜は地酒と酒の肴で家族や恋人、友人と一興する。それは最高な伊勢志摩の旅になりそうだ。
もちろん、私のように日本酒バー 麻吉を楽しむのも良い。
アクセスは良いとは言えないが、「歴史ある建物で過ごす酒と肴と会話」の特別な時間が約束されていると断言しておこう。
日本酒バー 麻吉のご紹介
完全予約制 ※当日21:00まで
住所:三重県伊勢市中之町109-3
定休日:不定休
営業時間:19時30分〜23時(最終入店21:00)
電話番号:080-5168-7836
アクセスマップ
日本酒バー 麻吉公式FACEBOOK:https://www.facebook.com/sakebarasakichi/
公式Instagram:https://www.instagram.com/sakebarasakichi/
公式LINE:https://page.line.me/nxv3679u
麻吉旅館紹介ページ(伊勢旅館組合):http://iseyado.com/oyadolist/asakichi/
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