世界遺産熊野古道 伊勢路をはじめ、海、山、川と大自然に囲まれた三重県紀北町。
世界遺産熊野古道 馬越峠の眼下に流れる銚子川は、抜群の透明度を誇っています。透き通った美しい水質は「銚子川ブルー」と呼ばれ、全国から一目見たいと多くの人が訪れています。
銚子川の魅力は簡単に一言では伝えきれませんが、透明度の高さ以外に、「多種多様な生き物に出会えること」が一つ挙げられます。
私は生き物たちを眺めたり、共に泳いだりと、一緒に過ごすのが大好きです。特に今夏(2019年)は銚子川で時間を過ごせましたので、本記事にて、実際に私が出会った銚子川の生き物たちをご紹介していきます。
生き物水中観察の際の注意事項
生き物水中観察に必要な装備
- ライフジャケット
- ラッシュガートやウェットスーツ
- ウォーターシューズ
- 水中メガネ
- シュノーケル
銚子川は透明度が高いため、水深があるにも関わらず浅瀬と勘違いしてしまう箇所が多くあります。ライフジャケットは、特にお子様の命を守るために必須です。
また海に比べ水温が低いため、ラッシュガードやウェットスーツ、または乾きやすい長袖のTシャツなどの着用をおすすめします。さらに大きな怪我をしないためにも、動きやすさも足元周りも重要です。川辺はツルッと滑りやすいため、滑り止めのきいた靴やサンダルの着用がおすすめです。
最後に生き物水中観察においては、ゴーグルよりも水中メガネ、そしてシュノーケルを着用したほうが楽しめます。ゴーグルのみに比べて、視界がクリアで顔をあげずに呼吸ができ、水中を見続けられるのは楽しさは桁違いですよ。
銚子川で出会えた生き物たち一覧
三重県には銚子川以外にも綺麗な川は数多くあります。私は伊勢市に住んでいますので、度会町の一ノ瀬川がお気に入りです。
川遊びの達人ではないので一概には断定できませんが、銚子川の生き物の多様さはダントツです。もしかしたら、上流から下流までの透明度の高さが「生き物との出会い」の確率を高くしている要因かもしれませんね。
前置きが長くなりました。それでは、銚子川で出会った生き物たちをご紹介していきましょう。
銚子川の生き物その1 群れで遭遇 アユ
代表的な川魚であるアユは基本的に群れで行動しています。アユを観察していると、岩肌に身体をこすりつけている姿を見つけるかも知れません。
一体何をしているのかというと、岩肌についたコケをこそぎ落として食べているんです。アユの食事はとても大変そうですね。
銚子川の生き物その2 鮮やかな婚姻色が特徴 オイカワ
綺麗な婚姻色が特徴のオイカワの雄は、水中できらびやかで良く目立ちます。全国各地にいるコイ科の身近な川魚です。
警戒心は強めですが、ゆっくり近づくように心がけると近くで鑑賞できますよ。
銚子川の生き物その3 コケを食べる姿が可愛い ボウズハゼ
岩肌にくっついて、口をバキュームのようにハムハムさせている姿に愛らしさを覚えるのがボウズハゼです。8cmくらいと案外大きいサイズもボウズハゼも見つけやすく、食べるのに夢中な姿はずっと見ていられます。
石の間から顔を出している姿も・・・かわいい!
銚子川の生き物その4 神秘的な魚群と泳ぐ カワムツ
水深がある淵の水面付近に大量の群れをなしている魚がカワムツ。右を見ても左を見ても、カワムツに囲まれている空間はとても神秘的ですよ。
水中から水面を見上げた光景も息が続く限りおすすめです。もちろん、無理は禁物です。
銚子川の生き物その5 見つけたら運がいい アユカケ
海の魚でいうと「アンコウ」や「カサゴ」のような見た目で、石の下に隠れていることが多い珍しい魚です。
アユカケを見つけると「いた!」とテンションが上がりますよ。
銚子川の生き物その6 大人も子どもの夢中 ヒラテテナガエビ
大人も子どもの見つけて捕まえるのに夢中なのが、ヒラテテナガエビです。夜行性のため、昼間は基本的に岩陰の奥に隠れています。
銚子川の生き物その7 浅瀬で遭遇 オタマジャクシ
オタマジャクシというと田んぼの印象がありますが、川にもいます。特に産卵期には大量のオタマジャクシに遭遇することも。水温が温かい浅瀬で見つけやすいです。
銚子川の生き物その8 ふてくされてる? ヌマチチブ/チチブ
石に張り付くお魚の定番 ヌマチチブ/チチブ。浅瀬で水中でじっと見ていると、ゆっくりと近づいてきてくれますよ。
銚子川の生き物その9 岩陰にひそむ スジエビ
ヒラテテナガエビを探す感覚で、岩の隙間や石と石の間などを覗くと遭遇するスジエビ。覗いて目があうと、「えっ・・なんですのん?」と3歩くらい後ずさりするのが印象的です。
銚子川の生き物その10 ゴツゴツした鎧 モクズガニ
エビがいれば、カニもいます。写真は陸での写真ですが、水中で見つけるときは浅瀬でいることが多いですかね。
銚子川の生き物その11 あの魚でかいぞ ウグイ
河口付近で数匹の群れで見つけると「でっか!」と、目を大きく見開いてしまう魚がウグイ。泳ぐスピードも早く、水深の深いところにいるので遠くから眺めるシチュエーションが多いです。
銚子川の生き物その12 見つけたら川遊び上級者 ニホンウナギ
川でニホンウナギを見つけたときは、最高にテンションが上がります。私は小さなウナギを銚子川で見つけました。放流されたウナギの稚魚かな?小さなウナギに遭遇した時は、別の魚を目線で追っていて小さな穴から顔を出していて二度見しました。ウナギも夜行性なので、昼間に見つけるのは至難の技です。もし出会えたら・・とっても運が良い。
銚子川の生き物との思い出は一生もの
子どもの頃の自然との思い出というのは、20歳を過ぎるころ、大人になってから改めて良かったなと実感するものではないでしょうか?
私も子どもの頃は、父に山や海、川にと遊びによく連れて行ってもらいました。楽しい思い出の中には、やはり自然が相手のためクラゲに刺されたり、滑って転んだりと苦いものも含まれています。
大人になり、それでも自然に身をおく機会があるのは、子どもの頃に経験した思い出の楽しさが苦さを上回っているからなのでしょう。
私の思い出の中にある、生き物たちとの楽しい記憶。銚子川で生き物観察をした人たちは、記憶の中に刻まれて、時を巡ってまた会いたいなと思い出してしまうはずです。
今夏の私のように。
銚子川の未来を守る 5つのルール
さいごに来年も再来年も僕らが遊べる銚子川で在り続けるために、守りたい5つのルールをお伝えさせてください。- 迷惑駐車はやめよう
- ゴミは持ち帰ろう
- 火気は焚き火台やバーベキューコンロを使おう
- トイレを使おう
- 大自然の恵みに感謝しよう
参考 銚子川でのシュノーケリング動画
国道42号線沿いの銚子川下流「まいこみ淵」は毎夏に1回は訪れたい場所です。駐車場も広く確保されていますので、オススメです。深い場所と浅い場所があるので、動画でぜひ予習して訪れてみてください。