伊勢市横輪町の桜は、普段町で見かける桜の様子とは少し異なっていました。
ボンボンと花びらをつけた特別な桜「横輪桜(よこわざくら)」をひと目見ようと、毎年たくさんの方が横輪町で春の訪れに癒やされるひと時を楽しまれています。
伊勢市の桜の名所として、度会橋近くの「宮川河川敷沿い」で咲き乱れるソメイヨシノとは、また異なる魅力が横輪桜にはあります。
本記事では、「横輪桜がなぜ特別なのか?」の観賞ポイントをチェックした上で、実際に巡った横輪桜巡りの様子をご紹介していきます。横輪桜だけじゃなく、横輪町に広がる昔ながらの原風景やグルメなども合わせてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
横輪桜(よこわざくら)の特徴は?花びらの数にご注目。
横輪桜(よこわざくら)は、日本全国で横輪町にのみ存在する桜です。江戸時代後期に横輪町の桂林寺(けいりんじ)にあったものを、村人たちが家に持ち帰り増やして、現在のような桜が咲き乱れる横輪町となったとされています。
実は横輪桜という名前がついたのは平成30年になってから。公益財団法人 日本花の会が山桜の突然変異として認め、横輪の桜は「横輪桜」と命名されました。
参照:公益財団法人 日本花の会「認定番号 第010号) ‘ 横輪桜(ヨコワザクラ)’ Cerasus ‘Yokowa’」
樹齢で美しさが変化 横輪桜は見どころたっぷり
横輪桜の咲き方の表現に「一重八重咲き(ひとえやえざき)」という言葉があります。
ポイント
横輪桜は樹齢が10年・30年・50年・100年と歳を重ねていくにつれて、5枚から13枚まで花びらの数を増やしていきます。また色合いは若い横輪桜ほど白く、樹齢を重ねた横輪桜ほどピンク色に。雄しべが変化した花びらは大きく、開花と同時に葉もつけるため、鮮やかで見ごたえのある桜です。
開花前の蕾の根本部分がサクランボのようにぷっくりしているのも横輪桜の特徴でもあります。
横輪桜の開花時期はソメイヨシノよりも数日遅く、例年は3月下旬から4月中旬が見頃です。
横輪桜を眺めながら、横輪町をぐるっと散策
横輪桜の特徴を理解したら、横輪町へ散策しに出かけましょう。町を一望できる宮山や、横輪川沿いなど、横輪桜を存分に楽しみたい方は動きやすい格好を推奨します。逆に、車から降りてスグに眺めたい方もご安心ください。駐車場に車を停めてスグ目の前に横輪桜を観賞できるスポットもありますよ。
では、順番に巡っていきましょう。
横輪町を一望 宮山の桜小道
まずは、案内看板に従って、横輪町を一望できる宮山の頂上を目指して歩いていきます。とても穏やかな春の陽気に、足取りも自然と軽やかになります。
棚田を眺めながら、緑の葉をつけた紅葉を発見。横輪町では春だけでなく、秋には美しい紅葉とたわわに実った稲穂の光景が広がります。
横輪桜の花びらが山道を彩ります。心地よい風に乗って、ヒラヒラと舞う横輪桜の花びらは見惚れてしまうこと間違いなしです。
宮山の見はらし台には、棚田方面からは約20分・郷の郷 風鈴前からは約10分でアクセスできます。高台から横輪町を眺めることで、本当に町の至るところに横輪桜が咲いているのがよくわかります。
桂林寺で咲く横輪桜は約100年以上のもので、桂林寺周辺に咲くものは約70年のもの、郷の恵 風鈴付近で咲く横輪桜は約15年のもの。どこの横輪桜が何歳なのかをチェックした上で、散策すると一つ一つ見比べられますよ。
風流な原風景 花びら流れる横輪川
横輪町にはお隣の矢持町上流の剣峠の峰を源流とした横輪川が流れています。伊勢市のホタルの名所でもある横輪町。6月頃に横輪川周辺一帯は無数のゲンジボタルが飛び交う様子が見られます。
横輪桜を眺めて春の訪れを感じるとともに、綺麗な川のせせらぎに浮かぶ横輪桜の花びらで春の終わりも感じます。
横輪町の伝統 横輪町の石積み
横輪町を散策していると、立派な石積みにも目を見開きます。山に囲まれた横輪町は、特に冬場に山間を激しい「横輪風(よこわかぜ)」が吹き抜けます。この横輪風を防ぐために発達したのが「石積み」の技術で、民家や棚田、桂林寺などで見受けられ、横輪町らしい里山風景となっています。
郷の恵「風鈴」で横輪町の名物 御平家餅をいただく
郷の恵「風鈴(ふうりん)」では、農産物を中心とした地場産品や軽食を販売する横輪町の憩いのお店です。そして、入り口に立てかけられていた気になる名物を見つけました。
その名は郷の郷 風鈴名物「御平家餅(ごへいけもち)」です。
御平家餅は、横輪町が平家落人集落のひとつであることから風鈴名物として作ったお餅で、お米もお味噌も地元のものを使っているそうです。柔らかくほんのり香ばしい米生地に、甘めの味噌が塗られています。ちょうど良いサイズ感ですので、散策して小腹が空いた後にぴったりです。
秋の味覚 横輪町の特産 横輪芋も要チェック
そして、横輪町で忘れてはいけない特産品が「横輪芋(よこわいも)」。伊勢の美味しい秋の味覚で、モチモチな粘りが特徴です。
横輪芋の食べ方でまず試したいのは、郷土食「いも汁」です。汁といっても、スープではなくご飯にかける「とろろ芋みそ汁」のような食べ物です。熱々ご飯にかけると、もう箸が止まりません。ぜひ、秋に横輪芋を手に入れて「いも汁」をお試しください。
横輪町の石碑に刻まれた、昔も今も変わらない言葉
宮山に登り、横輪川を眺めて、横輪町をグルっと散策してきたところにあった石碑を見つけました。車で通り過ぎたときには気づかなかった石碑です。
この自然いつまでも残そう子孫へ
刻まれた言葉の通り、横輪町の方たちが繋いできたからこその今の自然がありました。
横輪桜へのアクセス方法(郷の恵「風鈴」)をまとめて紹介
店名 | 郷の恵 風鈴 |
住所 | 〒516-1106 三重県伊勢市横輪町586番地 |
休業日 | 月・木 |
営業時間 | 9時~17時 |
WEBページ | 伊勢市公式 郷の恵 風鈴 |
電話番号 | 0596-39-1741 |
駐車場 | あり |
アクセス方法 | 【車の場合】 伊勢神宮内宮から車で約26分(16.7km) 玉城ICから車で約14分(10.2km) 【公共交通の場合】 伊勢市駅から三重交通五ヶ所行きバスにて、「横輪口前」へ 約31分 →「横輪口前」から徒歩約14分で風鈴へ |
備考 | 横輪桜の時期は駐車場料金500円。 |
横輪町 季節のおさらいメモ
春:横輪桜はソメイヨシノよりも開花が数日遅い。例年の開花は3月下旬から4月中旬ごろ。
夏:6月頃に横輪川周辺でゲンジボタルが見られる。
秋:紅葉と棚田の稲穂が美しい。
-
春のサンアリーナ 花の広場 車窓から気になる色鮮やかな花々たち
2017年3月に無料区間になった「伊勢二見鳥羽ライン」や第2伊勢道路は、とっても便利。僕が普段、伊勢市⇆鳥羽市を行き来しています。そんな中、フロントガラス越しにいつも気になっていた場所がありました。 ...
続きを見る
-
新種クマノザクラの観賞ポイントは?熊野さくらの会 田尾さんと紀宝町のクマノザクラ名所をご案内 | 取材レポート | 観光三重(かんこうみえ)
約100年ぶりに発見された新種の桜 クマノザクラ。まだあまり知られていないクマノザクラの特徴や見分け方、観賞のポイント、なぜ100年間も発見されなかったのか?という疑問まで。三重県紀宝町で桜の植樹活動 ...
www.kankomie.or.jp
ご紹介の記事に関する注意事項とお願い
当ページでの内容は記事執筆時点での情報です。最新情報は公式WEBやSNS等のリンクなどをご参照ください。
また、当ページは個人で運営しています。掲載内容に関してご意見・ご感想などございましたら以下、お問い合わせフォームまたはSNSメッセージよりお気軽にお寄せください。