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桑名で出会った「かぶらせんべい」— 歴史と縁起を噛みしめるひととき

桑名の石取祭を観に訪れた翌日、城下町の面影が残る南寺町を歩いていると、どこか懐かしい佇まいのお店に惹かれて足を止めました。見るからに老舗な「かぶら煎餅本舗」さん。入口には「かぶらせんべい」の文字が掲げられていました。恥ずかしながら、私はこのとき初めて「かぶらせんべい」の存在を知りました。「桑名名物」「老舗」と聞けば、一度試さずにはいられません。

本記事は、「かぶらせんべい」と桑名の歴史をご紹介していきます

「かぶら」が結ぶ縁起と歴史 松平定信の倹約の教え「菜根譚(さいこんたん)」

名前の通り、「かぶらせんべい」の「かぶら」は野菜のカブのこと。実は江戸時代の桑名藩主・松平定信の質素倹約の教えが関係しています。中国の古典「菜根譚(さいこんたん)」は、「人はかぶらの根のように、苦みを耐えて飲み込めれば、どんな困難も乗り越えられる」という教えに、松平定信は大変感銘を受けたとされています。そして、カブ(かぶら)の形を模した煎餅に漢文を焼き印させて家臣たちに配り、教えを広めたそうです。

噛みしめるほどに歴史や哲学を感じられる煎餅、それが「かぶらせんべい」の特別な魅力だと感じました。

老舗が守り続ける、桑名の伝統菓子の味わい

「かぶらせんべい」を最初に作ったのは、南寺町で代々お店を構える初代・重徳さん。城下町の良き風習を後世に残したいという志から、一枚一枚丁寧に焼き上げられたのが始まりだそうです。その後、戦争で一時中断を余儀なくされたものの、二代目が復興に尽力。昭和26年には天皇陛下への献上菓子にも選ばれるなど、名実ともに桑名を代表する銘菓へと育っていきました。

材料は実にシンプル。小麦粉、砂糖、卵、そして少しの膨張剤のみ。無駄を削ぎ落としたからこそ生まれる、カステラを香ばしく焼き上げたような昔懐かしい素朴な味わいです。ひと口食べれば、昭和の街角で煎餅を頬張る人々の光景が浮かんできます。




口に広がる素朴な幸せ

一枚頬張れば、まず感じるのは香ばしい甘み。カステラのようなやさしい風味と、焼き菓子ならではの軽やかな食感が絶妙です。香川で味わった瓦せんべいや、津市の銘菓「平治せんべい」に似た味わいです。桑名ならではの歴史や物語を知ることで、「かぶらせんべい」の味わいにいっそう深みが増します。

大きなサイズを皆で割って分け合うのも楽しいですし、小さなサイズを手土産にするのも喜ばれることでしょう。地元のスーパーでも購入できるそうですが、旅の思い出として本店で買うのは格別の体験になります。

お店でのひとときと持ち帰りの注意

訪れたのは「かぶら煎餅本舗」さん。木造の趣ある店構えに足を踏み入れると、ガラス越しに並ぶ大小さまざまなせんべいが目に飛び込んできます。私は大・中・小サイズをお土産に選択しました。

店員さんから「大サイズは割れやすいのでお気をつけくださいね」と一言。気をつけていたものの、自宅で袋を開けてみると...案の定ヒビ割れてしまっていました。まぁ、それもまた旅の思い出のひとつです。電車や車で持ち帰るときはできるだけ丁寧に扱うのがおすすめです。

【まとめ】桑名の歴史をお土産に

「かぶらせんべい」は、ただの焼き菓子ではありません。そこには桑名の人々が大切にしてきた縁起や教え、そして戦後の復興にかけた想いが込められています。お茶うけにすれば会話も弾みますし、人生の教訓を噛みしめるように味わえば、また違った感慨があります。

桑名を訪れた際には、かぶら煎餅本舗さんにぜひ立ち寄ってみてください。旅の最後にもう一品お土産を、と思ったときに選べば、きっと「桑名らしさ」を感じさせる贈り物になりますよ。

かぶら煎餅本舗 店舗情報

住所三重県桑名市南寺町15
営業時間7:00〜18:30
定休日木曜日
駐車場あり 2台分
Webサイト桑名市観光サイト「かぶら煎餅本舗」

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