日本の歴史において、現存し続ける伝統文化 日本酒造り。
日本酒の原材料となるのは、お米とお水、そして麹。
どれも欠かせない材料です。その中でもお米は、一般米に比べて粒の大きい、酒造好適米(以下、酒米)を用いて日本酒は造られています。
酒米にも色々種類があります。例えば有名どころとして、山田錦や五百万石、雄町など。日本酒にあまり馴染みがない方でも、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
酒米の中でも、地域に根ざした特別なモノもあり、三重県の日本酒銘柄 鉾杉(ほこすぎ)で使われている「弓形穂 ゆみなりほ」もその一つです。
そんな特別な酒米 弓形穂の酒米を三重県伊勢市の明野高校を舞台として、育てていくプロジェクトが進んでいて、令和2年5月22日に田植えが実施されました。
当記事では、明野高校での弓形穂の田植え授業の様子をご紹介していきます。
そもそも、弓形穂(ゆみなりほ)って
山田錦の元親と言われている伊勢錦(いせにしき)の突然変異種として、三重大学生物資源学部で固定された新しい酒米です。
明野高校の明高米プロジェクト
三重県立明野高校の生産科学科作物部門では、様々な農作物を育てられています。
明野高校で栽培されたお米「明高米(あけこうまい)」の名で知られ、米品種 「結びの神 (むすびのかみ)」や「あゆみもち」を栽培。平成30年には東海地域の農業高校で初めて、お米のGLOBAL G.A.P.を取得されました。
そして今回初の取り組みで、多気町の河武醸造さん、伊勢市小俣町のみよしや酒店さん、三重大学生物資源学部との共同プロジェクトとして、明野高校で酒米 弓形穂が育てられることになりました。
弓形穂の田植え授業の様子
2020年5月24日の田植え授業では、新型コロナウイルスの影響で5月末まで休校のため、高校生たちは自宅からオンラインでの参加です。
まずは明野高校の西先生から、弓形穂のことや田植えの手順、注意事項などを説明いただきます。
弓形穂の苗を積んだ軽トラックがゆっくりと走り出し、僕たちも後を追いかけて明野高校の田んぼへ。
蔵人さんからは、トラクターの操作は初めてとの声も。操作方法の指導の元、蔵人さんも酒屋さんもトラクターに乗り込みます。
弓形穂の苗を乗せたトラクターは、先生や蔵人さんや酒屋さんと運転手を変えて、田んぼを往復されていました。
植えられた酒米 弓形穂は夏を越えて、来年には日本酒に・・・
令和2年6月には休校が終わり、生徒さんたちも本格的に明高米の酒米プロジェクトに参加します。そして、生徒さんたちは、これから稲刈りや日本酒造りにも参加して、来年(令和3年)2月頃には特別な日本酒が出来上がっていきます。
自分たちの手で育てたお米が、酒蔵に引き継がれ蔵人たちの手で美味しい日本酒に生まれ変わります。
造り手から造り手、そして酒屋さんから私たち消費者の元へ。
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