三重県明和町の歴史と、四日市の伝統的な麺文化。それを一杯のラーメンにした、ちょっと面白いお土産を見つけました。
その名も、「斎麺(さいめん)」。

三重県明和町に残る「斎王」の歴史をテーマに、明和町と同町出身のラーメン・乾麺専門店「南野商店」の南野マキさんが共同開発した、五葷不使用のプラントベース(ヴィーガン)ラーメンです。
今回は志摩市で三重の地酒や食を扱う「KANPAI ISESHIMA」で見つけて購入し、自宅で実際に作って食べてみました。食材へのこだわりはもちろんですが、個人的にとくに面白かったのが、四日市ひやむぎを自分で「中華麺風」に変化させながら作ること。
食べるだけでは終わらない、ちょっとした調理体験まで楽しめる三重県のお土産でした。
明和町の「斎王」を一杯のラーメンにした斎麺

斎麺の背景にあるのが、三重県明和町の「斎宮」と「斎王」の歴史です。
斎王とは、天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えた皇族女性のこと。およそ660年にわたって続いたとされ、斎王が暮らした地が現在の明和町にある斎宮です。
そんな斎王をテーマに、「五穀豊穣へ感謝を捧げる祈りの一杯」として生まれたのが斎麺です。斎王が最も華やいだとされる平安時代の食材を手がかりにしながら、三重県の産品を中心に一杯のラーメンへ落とし込んでいます。
さらに特徴的なのが、動物性食材を使用せず、五葷(ごくん)も使っていないプラントベースのラーメンであること。
「五葷」は、ネギやニンニクなどの香りの強い野菜を指す言葉です。斎麺では動物性食材を使わず、さらに五葷も使用しないことで、オリエンタルヴィーガンの方も楽しめる設計になっています。
歴史を名前やパッケージだけに取り入れるのではなく、食材や味づくりにまで落とし込んでいるところにこだわりを感じます。
麺は四日市・大矢知の「四日市ひやむぎ」
明和町のお土産としてだけでなく、三重県のお土産として注目したい理由が、使われている麺にあります。斎麺には、四日市市大矢知地区で作られる「四日市ひやむぎ」のバチ麺が使われています。

バチ麺は、手延べ麺を製造する過程で生まれる、平たい部分から丸い麺へと形が変化していく部分のこと。実際に乾麺を眺めてみると、すべてが均一な太さではありません。平たい部分があったかと思えば、少しずつ丸い麺へ変化していきます。
公式情報では、このグラデーションのある麺によって、麺の起源とされる「索餅(さくべい)」から現在の麺状へと変化していく過程を表現しています。
明和町の斎王文化だけでなく、四日市の製麺文化まで一袋に入っている。「三重のお土産」として考えても、地域性の濃い組み合わせを実現しています。
「YUDE-CO」を入れると、ひやむぎが中華麺風に変化

さらに斎麺には、「YUDE-CO(ユデコ)」という小さな袋が付いています。これが、この商品を作るうえでかなり重要な存在です。
YUDE-COは「中華めん風の素」で、名称は炭酸ナトリウム(食品添加物)、原材料は炭酸ソーダ100%。中華麺特有の食感や風味を生む「かんすい」にあたるもので、乾麺の茹で湯に加えて使います。
これが個人的には、かなり面白かったところです。鍋にたっぷりのお湯を沸かしてYUDE-COを加え、白い乾麺を茹でていくと、少しずつ麺が黄色みを帯びてきます。
「おっ、本当に中華麺っぽくなってきた」
作っている途中から、目でも変化が分かるんです。

普段、中華そばやラーメンを食べることはあっても、「かんすいによって麺がどう変わるのか」を自宅で実感する機会はなかなかありません。
乾麺を茹でて食べるだけではなく、ひやむぎが中華麺風へ変わっていく工程そのものを体験できる。個人的には、この調理体験だけでも、斎麺を一度食べてみる価値があると感じました。
大きめの鍋を準備!斎麺を作ってみました

斎麺の基本的な作り方は、1食につき鍋に2Lの水を入れ、好みでYUDE-COを1袋加えて沸騰させます。

そこへ麺を入れて、中火で約7分。
茹で始めて5分ほど経ったところで、別に用意した器へ添付のスープを入れ、350mlの熱湯を注いで準備しておきます。最後に茹で上がった麺をしっかり湯切りし、スープへ入れれば完成です。
実際に作ってみて最初に思ったのは、「2Lの水って、けっこう多いな」ということ。
小さな片手鍋では余裕が少ないので、ある程度大きめの鍋を用意しておくのがおすすめです。私は麺を茹でる鍋とは別にスープ用のお湯も用意。麺の茹で上がりに合わせてスープを作り、最後に合わせました。
一般的な袋ラーメンより少し手順はありますが、そのひと手間も斎麺らしさのひとつ。作る時間まで含めて楽しむラーメンだと感じます。
岩戸の塩とあおさ、わさびが香る透き通ったスープを実食
完成した斎麺は、透き通ったスープが印象的です。
スープには、伊勢市神前海岸で作られる「岩戸の塩」と三重県産のあおさを使用。さらに、わさびオイルで本わさびの爽やかな風味を加え、えごま油などを組み合わせています。

器をのぞくと、表面には油がふわり。
香りを確かめてみると、あおさが前面に強く出てくるというより、塩ベースの香りのなかに海藻らしさが溶け込み、その奥からわさびの爽やかな香りがふっと感じられます。
まずは麺を入れる前に、スープだけをひと口。
すっきりとしていますが、ただ薄いわけではありません。塩味のなかに昆布やしいたけなどの旨みがあり、えごま油によるコクも感じられます。
「これ、野菜を入れてスープとして食べてもおいしそうだな」
そんなことを思う、落ち着いた味わいでした。
つるっと、もっちり。ひやむぎとは違う食感に
そこへYUDE-COと一緒に茹でた麺を入れて、斎麺の完成です。

乾麺の状態では細く白かった麺も、茹で上がると少し黄色みを帯び、太さも増したように見えます。
箸で持ち上げてみると、見た目もかなり中華麺らしくなりました。

食べてみると、つるっとした喉越しがありながら、もっちりとした食感。普段のひやむぎをめんつゆで食べるときとは、明らかに印象が違います。
今回はパッケージに沿って約7分茹でたところ、私の好みからすると少し柔らかめの仕上がりになりました。火力や鍋の大きさなどによっても変わりそうなので、次に作るときは時間をより正確に測りながら、途中で麺の状態も確認してみたいところです。
トッピングでも楽しみ方が広がりそう
今回は家にあった刻んだニンジンとチャーシューを添えて仕上げました。

ただ、斎麺本来のコンセプトをより楽しむなら、植物性の食材だけでトッピングを組み立ててみるのも面白そうです。
公式情報では、ヴィーガンの方には、わさび風味と相性のよいわさび菜やみょうがなどをおすすめしています。一方、ヴィーガンではない方には、鶏肉・白身魚・貝などもわさびの風味と相性がよいとのこと。
個人的には、せっかく斎王や平安時代をテーマにしたラーメンなので、当時の食文化について調べながらトッピングを考えてみるのはとても楽しそうだと感じました。
単なる「ラーメンの具選び」から、三重の歴史や食文化へ興味が広がっていく。そんな楽しみ方ができるのも斎麺ならではかもしれません。
まとめ|三重の歴史と麺文化を作って味わうお土産

明和町の斎王文化をテーマに、四日市市大矢知地区のひやむぎ、伊勢の岩戸の塩、三重県産あおさなどを組み合わせて生まれた「斎麺」。
実際に食べてみて印象に残ったのは、味だけではありませんでした。
乾麺だったひやむぎにYUDE-COを加え、自分の手で中華麺風へ変化させていく。その工程を体験したことで、「中華麺って、こうやって特徴が生まれるんだ」という小さな発見がありました。
- 明和町の歴史
- 四日市の麺文化
- 伊勢をはじめとした三重の食材
- そして、ラーメンを作る面白さ
それらが一杯に詰まっているところが、斎麺のお土産としての大きな魅力だと思います。
私は志摩市の「KANPAI ISESHIMA」で購入しました。販売場所や在庫状況は変わる可能性があるため、購入前には各店舗や南野商店公式サイトなどで最新情報をご確認ください。
明和町や伊勢志摩を旅するなかで見つけたら、ぜひ「食べる」だけでなく、ひやむぎが中華麺風へ変わっていくところから楽しんでみてください。
斎麺の商品情報

| 商品名 | 斎麺(さいめん) |
|---|---|
| 商品タイプ | 五葷不使用のプラントベース(ヴィーガン)ラーメン |
| 内容量 | 238g(麺160g)/1袋2食 |
| 麺 | 四日市市大矢知地区「四日市ひやむぎ」のバチ麺 |
| 主なスープの特徴 | 伊勢市神前海岸「岩戸の塩」、三重県産あおさ、わさびオイル、えごま油などを使用 |
| YUDE-CO | 炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ100%)2g×2袋 |
| アレルギーに関する表示 | 原材料の一部に小麦・大豆を含む |
| 賞味期限 | 製造日から365日 |
| 保存方法 | 直射日光・高温多湿を避けて保存 |
| 販売者 | 一般社団法人明和観光商社 |
| 麺の製造者 | 有限会社渡辺手延製麺所(三重県四日市市) |
| 公式EC参考価格 | 1袋2食 1,500円(2026年10月確認時) |
公式情報
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